声質改善への道③~「声が小さい」を克服する!

こんにちは、アンヴォ―カル・ピアノスクールの代表の浅井です。

今回も、声質の改善シリーズ3回目です。
色んな声の人がいますから、このテーマは延々とやろうと思えばできそうです(笑)

もし、「自分の声はこんな声なんだけどどうしたらいい?」ということで取り上げて欲しい方がいましたら、下記メールまで送ってくださいね。
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今は新型コロナウイルスの感染予防で、マスクをする生活ですね。
自宅以外で仕事されてる人にとっては、暑くなってきましたし、かなり辛いですよね。

マスクをしていると口も開きにくいし、ぼそぼそと話す習慣がついてしまっているのではないのでしょうか?
もしかしたら、コロナが終息するころにはみなさんの喉の筋肉が衰えてしまっているかもな、と思っています・・・。

先日、マクドナルドへ買い物へ行った時は、マスクもしているし、店員さんとの間には透明のシート越しに注文しないといけないので、「かなり大きい声で話さないと、うまく届かない」と思いました。

特に、元々声が通らない方、滑舌が上手ではない方は特にマスク越しで話すときには、相手が聴き取りづらいようです。

そこで、今回は話し声にも効果がある、「声が小さい」を改善する!方法をテーマに綴ってみたいと思います。

「声が小さい」人の特徴は?

  • 声が小さくてこもる
  • 声が小さくてかすれている
  • 長く話すと喉が痛くなる
  • 喉が詰まっている感じがする
  • 声が響かない、通らない

これらの原因は、この3つであることが多いです。

⑴声帯の閉鎖ができてない
⑵舌骨と喉仏が上がりすぎる
⑶喉仏が奥に入り込んでいる

では、それはいったいどういうことか、ひとつずつ説明をしていきますね。

(1)声帯の閉鎖ができていない

「声帯の閉鎖」は、どんな方でも声を出すときに最も意識したいことです。

次の写真は、私の声帯を口から覗いて見たときの写真です。
真ん中のVのひっくり返っているようになっているものが声帯ですが、声を出していない時(呼吸時)は、2本のヒダが開いています。

次の写真は、声を出している時の写真です。
肺から空気を出すときに、声帯が閉じ、隙間から空気が通り抜ける時にブルブルと振動して声が出ます。

声が小さい人は、声帯を閉じる力が弱いため、空気が沢山もれてしまい、息混じりの声やかすれ声になります。

息が混じると振動が弱く、体感は「声がしっかり鳴っていない」という感じがします。

声帯を閉鎖には、まずは呼吸から

「声は大きいけど、閉鎖ができない」という方には、エッジボイスという閉鎖筋を鍛える練習から始めます。
しかし、声が小さいタイプの方も同じようにすればいいとは限りません。

声帯が薄かったり、喉の筋肉が硬かったりすることが多いので、いきなりこの練習をしても上手くできず、喉が痛くなってしまうことがあります。

ですから、声が小さいタイプの方は、「腹筋を使って無駄な息を吐かないようにする練習」をして、ますは自然と声帯が閉鎖しやすくなるように練習していきます。

腹筋は、「腹横筋と腹斜筋」という、息を止める筋肉を使います。

無駄な息を吐かないようにするための呼吸練習

①椅子に浅く座り、足の付け根のあたり (☞腹横筋) に力を入れ、背中を伸ばしながら座る。
 お尻で座面を押さえつけるようにする。
 腹横筋は硬くなるくらい力が入って欲しいのですが、うまくできない方は、太ももを椅子から5㎝浮かせます。
  
②あばら骨を締めていきながら息をスーッと吐く。
 背中は丸まらないように、頑張って上に上にと伸ばしてください。 
 息を吐ききったら、できるだけあばら骨を開かないようにしながら息を吸う。
 そうすると、あばら骨の背中側や横側が開きます。(☞外腹斜筋が働く)

③再び息を吸う時に、①の姿勢、腹横筋も忘れずに。
 30秒長く続くくらい、ちょっとずつ息を吐く。
 最終的には、1分間息を続けて吐けるようになるまで、40秒、50秒と徐々に伸ばしていきましょう。

★こちらの動画で一緒に練習できます!

 

⑵舌骨と喉仏が上がりすぎる

「舌骨ってなに?」と初めて聞いた方もいらっしゃるかもしれません。
声が小さい方は、舌骨や喉仏が上に上がったり、後ろに行ってしまう方が多いので、この2つのコントロールを覚えることはとても重要です。

まずは、舌骨や喉仏を触って、位置を確認してみましょう。

あごの下に喉仏があるのはわかりますね?
あごと喉仏の間に、U字の形の細い骨が発見できるでしょうか?
これが舌骨です。
(→どうしても発見できない方は、この後の⑶「舌骨と喉仏が奥に入り込んでいる」を先にご覧ください。)

そして、「アー」と声を出そうとした時に、「喉仏や舌骨が上に移動していないか」を、チェックしてみてください。

体感としては、喉仏と舌骨が上がると咽頭共鳴腔が狭くなり、喉が詰まっている感じになります。

でも中には、「舌骨と喉仏の位置が、生まれつき上にある」という人もいます。
そのような場合でも、舌骨と喉仏を下げるための筋力トレーニングをしていくことで、喉を開いた感覚になることができます。
喉仏や舌骨が上がりがちの方の声の音色は、平べったい声、息が混じったザラザラやガサガサとした声、細い声になります。
このような方は、低音が苦手な方も多いですが、まずは「低く太い声」を練習していきましょう。

舌骨と喉仏を下げるトレーニング

⑴の呼吸法や腹横筋・腹斜筋も意識しながら、舌骨と喉仏を下げる練習をします。
喉仏や舌骨が下がることで、余分な息が漏れにくく、声帯閉鎖を促します。

①椅子に浅く座り、足の付け根のあたり (☞腹横筋) や背中を伸ばしながら座る。

②喉仏が下へ下がるように、ストローを吸うように息を吸います。

③咳払いをして、ダミ声みたいな汚い音色で、低く「オー」と言います。
 嘔吐するときのように「オエー」と言ったら、わかりやすいかもしれません。

④「オー」と声を出すタイミングに合わせて、首や背中は上に引っ張られるように伸ばして、太ももを手を使わずに浮かせます。 
 足の付け根の上あたりの腹筋(腹横筋)が硬くなりますね。
 音程を上げながら発声しますが、高い音になってくるにしたがって喉仏が上がらないように、腹横筋で踏ん張ります。

⑤の姿勢のまま、同じ音で、オーアーと言います。
 アに変わった時に喉仏が上がらないように、足の付け根(腹横筋)を外に張ったままにする。
 少しずつ音程を上げていきます。

⑥アッアッで、3度の発声をします。
 アだけで短く切る声の出し方でも、ストローを吸うように吸い、喉仏が上がらないようにします。

⑦舌骨と喉仏を下げたまま裏声で、「オ」を1オクターブ上に出す。
 低い音は、小さめに出すのがコツです。


このメニューを1日5分~10分程度やっていくだけで、声が大きく出やすくなっていきますよ!

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この練習をやって、高い音でかすれたり、喉が苦しくなったりした方!
ストローを吸うように息を吸う時に、首の横の辺りに筋が這入ったり、硬くなったりしていないか、チェックしましょう。

首の横まで力が入る場合は、力を入れすぎなので、もう少し軽い力で吸うようにしてください。

喉仏や舌骨が下がるようになったら、また次のステップに行きますが、今回はここまでにしておきますね。

★こちらの動画で、一緒に練習できますので、是非やってみてください!

▶声が小さい!を改善する方法

⑶喉仏が奥に入り込んでいる

⑵の舌骨と喉仏を下げるトレーニングが上手くできない、喉が苦しくなるという方は、高めの声を出した時に、喉仏が奥(後ろ)に入り込んでいっていないかを、チェックしてみてください。

顎や喉仏に舌骨がくっついてしまって、「舌骨がどれだかわからない」という方もいるかと思います。

そのような方は、姿勢の悪さが原因で首全体の筋肉が硬く縮んでしまっているせいなので、発声練習の前によくストレッチやマッサージをすることが大切です。
☞首を柔らかくするストレッチは、「高い声が出ない原因とは?」のコラムにも書いてあるので、良かったら読んでみてください。

また、喉仏が硬い原因として、舌の硬さも影響していることもあります。
☞舌の硬さについてのコラムはこちら

自分がどれに当てはまるのか、一つ一つ試していただきながら検証していくしかないと思いますが、自分でよくわからないという方は、当スクールの無料体験レッスンを受けるのもおすすめです。
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喉の筋肉が硬いと、血液循環が悪くなり、粘膜についた細菌やウイルスを体外へ排出する繊毛の運動能力も低下する可能性があるそうです。

コロナに負けないよう、喉周りの筋肉を柔らかくし、必要な筋肉をつけるトレーニングをやっていきましょう!

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ボイストレーナー 浅井 のぞみ

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