声質改善への道④ 「キンキン声」を治す!【2023.11.3更新】

テーブルにパソコンとレコード

こんにちは、ボイストレーナーのNOZOMIです。
今回は、声がキンキンするタイプの方の改善するための練習方法をご紹介していきますね。
お子さんやカワイイ声、平べったい声になってしまう方にも効果的ですよ!!

Youtube動画では、一緒に練習できるようになっています!

私が15年のボイストレーナーをやっていて思うのは、キンキンするタイプの喉はとても恵まれている喉の多いです!
それは、喉仏や舌骨の位置が生まれつき低めだからです!

多くの方は、舌骨や喉仏が顎のすぐ下にあります。
高音を出すときに、舌骨や喉仏が上に上がることで、喉が詰まって苦しくなります。
ですから、ボイストレーニングで喉仏や舌骨を下げながら、「喉を開く」ということを覚えるトレーニングをしていくことがとても重要になります。

逆に、キンキン声の方に多い、元々喉仏や舌骨が低い位置にある方は、舌骨とあごの間が普通の人よりゆとりがあるので、高音で舌骨と喉仏が上がっても、あまり苦しさを感じません。

それでも上に上がる分、狭い共鳴腔で響いた声は鋭い金属的な音色になるので、「キンキンしている」という印象になります。

「自分は高い声を出してもそんなに苦しくはないけど、キンキンして嫌だな」
と思う方は、きっとこのような身体のタイプではないかと思います。

これはプロの歌手の方でも多くて、「ボイトレなんか行ったことないよ」と言っているのに上手な人、楽々高い声が出ちゃう人は元々喉仏・舌骨が低いんですね。

ちなみに、私はこういうタイプではなく、結構上にあるので下げる筋肉を使わないと高音は出ません・・・。
うらやましいですね・・・。

また、小学生の子ども達は舌骨とか喉仏に関係なく、声がキンキンしやすいのですが、これと同じような練習をしていくと、やわらかく響く声を出せるようにしていくことができます。

 

キンキン声を治すトレーニング

では、どうしたらキンキンが治るかというと、舌骨を下げた裏声を出す練習をします!
裏声でやるのがポイントです。

キンキン声の方は、声帯の閉鎖が元々できている方が多いです。
でも、声帯の閉鎖も意識的にやっているのではなく、「知らない間にそうなっていた」という感覚ではないでしょうか。

それをあえてしないようにして、声帯の閉鎖を自由に弱めたり、強めたりする感覚も覚えていきたいと思います。
キンキン声の方は、声帯の閉鎖を弱めると、舌骨も下がりやすく、太くてやわらかい声が出せるようになります。

STEP1

①ストローを吸うように息を吸って、鎖骨の上の筋肉を硬くなるようにしながら息を吸います。
(そうすると舌骨が下がります。)

②①の緊張感を持ちながら、口をすぼめた状態で小さい声で「ホー」と言います。
(「オー」じゃなくて「ホ-」ですよ!)

③そこから5度音程を上げて、また元の音に下げてみます。
低い声から高い声に行くときに、ゆっくりスライドしながら音程を取ることと、舌骨が上がらないように注意しながらやりましょう。

それと、低音をできるだけ小さくして、高い音で少しずつ大きくします。
元々閉鎖が強い方は、最初から大きい声を出すと、勝手に閉鎖した声になってしまうので、最初の音は小さく出してください。

④ここまでできたら、同じ音で「ホー」から「アー」にゆっくり移行していきます。
この時も「ホ」の出し始めは、小さく出して段々と大きくしていってください。
「ア」に変わった時に声が細くなって、キンキンしてこないように舌骨を下げておいてください。

この練習をやっていくと、子供から大人まで男性・女性に限らず、声がキンキンしやすい人は、大体この練習でやわらかい裏声が出せるようになっていきます。

舌骨が下がることで、共鳴空間が広がり声が太くなり、響きで声量を大きくすることができるようになります。

STEP2

でも、「私は裏声で歌いたいんじゃない!」「裏声が出ても地声が変わらないと意味ない!」
と思われる方もいるかもしれません。
もちろん、導入編の練習が、最終目標の声ではありませんので、安心してください!

発声の改善には順序が大切で、出したい声を出せるようにするためには、それに必要な条件を一つひとつ満たしていかないと上手く出ないのです。
だから、順を追ってクリアしていくように練習していって、導入編ができるようになってから、次に進んでください。

キンキン声を治すには、もう一つ重要な練習があります。
噛みしめの筋肉を緩めるということです!
それは、下の画像の外側翼突筋、内側翼突筋です。
ここを緩めると、キンキン声が軟らかい声に変身します!

①口の中の、上の奥歯と下の奥歯の間にある縦の骨を触ってみましょう。

②その骨の内側(喉側)に指を滑らせます。

③スジのような筋肉を発見出来たら、それが内側翼突筋です。
そこを下に向かって流すようにしっかり力を入れて、筋肉をほぐしていきます。
硬い人ほど、涙が出るほど痛いかもしれません。

④この筋肉が縮まらないように注意しながら、エで地声と裏声を1オクターブで、2回いったり来たりする練習をします。
声をわざとひっくり返るようにしますが、裏声と地声が同じ声の太さになるようにすること、できるだけ素早く声の切り替えをできるように練習します。

⑤地声のままで、ペッペッペッペッを言います。
先ほどの内側翼突筋(上下の奥歯の間の筋肉)を広げるように意識してください。
息を吸う時には、舌骨を下げるようにしながら、ドミソミドの音階で発声練習をします。
内側翼突筋が噛みしめるようにぎゅっと力が入らないようにできれば、高音までキンキンしない声で出せるようになります。

STEP3

首の後ろの骨うなじの下あたりで、骨がグリグリと出っ張っている辺りを触って、ストローを吸うように息を吸った時にそこを膨らむようにします。
喉仏・舌骨を下げる時に、後ろも意識してもらうと、声が更に太く安定してきます。

 

キンキン声の人にいい歌の練習曲

女性向け

・ハナミズキ/一青窈
・Story/AI
・三日月/綾香

男性向け

・ひまわりの約束/秦基博
・奏/スキマスイッチ
・Lemon/米津玄師

私の個人的な考えでは、キンキン声を治す練習には、速くてノリノリの曲よりも、ゆっくりとして呼吸の間が取りやすい曲の方がいいと思います。
息継ぎの間がしっかり取れれば、その時にストローを吸うように息を吸って、舌骨を下げることを確認できるからです。

そして、女性にも男性にもやっていただきたい練習は、1曲通して裏声で歌う練習です!

「ゲッ!?」と思うかもしれませんが、発声練習の時と同じで舌骨や喉仏を下げた感覚は、裏声の方がわかりやすいです。
曲になるとすぐに元のキンキンした声に戻ってしまいやすいので、そうならないためにもあえて裏声だけで歌う練習をしていただけたらと思います。

あと、舌を少し後ろ気味にして歌詞を発音していくと、キンキンしにくくなります。

その後に地声で歌うと、いつもより太くやわらかな声になっていると思いますよ。
是非やってみてくださいね!

キンキン声の方は、元々持っている声はいい声の方が多いので、コンプレックスを強みに変えることもできます!
太さや柔らかさを手に入れられれば、声の音色の幅が広がってもっと歌を楽しめるようになります。

練習が上手くいかない、上手くできているのかわからないという方は、もっと細かなあなたに合った練習メニュが必要かが知れませんので、実際に浅井のぞみのレッスンも受けてみてください。
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ボイストレーナー 浅井 のぞみ

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