歌の表現力をつける方法

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歌で何を表現したいか?

こんにちは、アンヴォーカルスクールの浅井です。

今回は、発声から離れた内容です。

歌を聴いていると、歌詞やメロディから、色んな感情がイメージできますね。

嬉しい気持ち、悲しい気持ち、楽しい気持ち、切ない気持ち 励ましたい気持ちなど。

自分の気持ちと重なる部分がある曲に、共感したり、口ずさんだりしたくなりますね。

今回は、自分の歌いたい曲を「どうやったら自分の気持ちとして表現できるか?」「自分の言葉で語れるようになるか?」
その方法を順を追ってご紹介していきます。

表現力の高い歌とは?

私の考えでは、表現力の高い歌、気持ちの伝わってくる歌は、こんなポイントがあると思います。

①言葉を一つ一つ丁寧に語っていて、何を言いたいか伝わってくる。

②音楽の強弱と、歌い手の気持ちの高まりがマッチしている。

③音楽や感情に合わせて、声の音色(出し方)が変わっている。

聴いている人の心をつかむ演奏は、出す音一つ一つに魂が込もっています。

自分の気持ちを歌にぶつけるのではなく、音で表現するというのが音楽です。

その曲の音楽性に沿って、「感情を声で表せるようにしていくこと」が大切なのです。

表現豊かな歌にするための練習は?

「この歌に自分の気持ちを入れて歌いたい」と思った時には、どのような練習をしたらいいでしょうか?

歌は、歌詞・メロディ・リズム・伴奏(ピアノ・ギター・ベース・パーカッションなどのそれぞれの音色)と、色々な要素が調和して一つの音楽になっています。

まずは、「音の一つ一つにどんな意味があるのか」を考えてみましょう。

ただ単に曲のメロディと歌詞をなぞっていくのではなく、歌詞に含まれている感情や情景をイメージして、楽譜や歌詞カードに書いていきましょう。

《英語の曲の場合》

訳詞を見ますが、訳した人によってニュアンスが違うことがあるので、色々なものを見て自分が好きな訳を参考にするといいです。
あと、単語の意味も一つ一つ調べるといいでしょう。

 

①その歌の「季節」や「時間」は?

その曲は、どんな「時」を歌った歌ですか?

朝焼け?夜の街?冷たい雨の日?春のぽかぽか暖かい日?

どんな季節で、天気、暑いのか寒いのか、朝?夜?など、具体的に出てくるといいですね。

②その歌の場面の風景・場所は?

歌詞や伴奏のメロディーから、その曲の場面はどんな風景か?どんな場所なのか?
を考えてみます。

具体的に元の歌詞にそれが書かれていない場合は、自分の感性でイメージして決めてしまってOKです。

彼女の部屋、人のいない住宅街の道、高台から町を見下ろしている、人混みの繁華街など

曲のイメージからどんどん膨らませてください。

③登場人物

さあ、いよいよその曲に出てくる人を考えましょう。

こちらも「誰が誰に向けて歌ったのか?」なども考えながら、曲に出てくる人をイメージしてください。

30歳くらいの男性、今の自分、20代の恋人同士、高校生の時の自分

こちらも自分の解釈でOKです。

④どんな気持ちを歌った歌なのか?

ここがかなり重要ですね。

嬉しいのか、悲しいのか、切ないのか、悔しいのか、楽しいのか、苦しいのか・・・

その感情がよく表れている歌詞や単語をキーポイントとして、チェックします。

その歌詞に書いていないことでも、自分の頭に思い浮かんだことも書いていきましょう。

強く歌っているところ、伴奏が盛り上がっているところも、気持ちが表れている重要なフレーズです。

特にそこは、「どんな気持ちなんだろう」「なんでこの言葉が出てきたんだろう」と想像してみましょう。

⑤ストーリーにする

季節や時間・風景・登場人物・気持ちの要素をもとにして、自分なりのストーリーを作ってみましょう。

例えば、
「高校生の自分が、夕方の駅のホームで電車でホームを待っていた。
自分には片思いをしている人がいる。
さっき、その好きな人に○○と声をかけられたときに、上手く言葉を返せなかった。
でも、心の中では△△と感じている。駅のホームで思い返している。
(実際の歌の歌詞にある言葉は、その△△と感じている気持ちを表したもの)
今度会ったらちゃんと話せるかな。どんな言葉をかけようかな」
などなど。

歌詞に表せないものが音楽(メロディーや伴奏)に表れているのではないか?と考えます。

元の音楽を聴いて、音からもイメージを膨らませて、「この音は切ない気持ちなんだ」「ウキウキしている音だ」とか、考えてみてください。

歌詞にないストーリーや、言葉やセリフも、自分だけのイメージでどんどんつけ加えていってOKです!

もしその曲の情景が「自分の経験にはないことだからイマイチわからない」という場合には、どうしたらいいでしょうか?

それでもご心配なく!

もし好きな人に振られた悲しい歌だったら、
好きな人を失う悲しみ→ペットがなくなってしまったことがある→思い出して、失う悲しい気持ちを想像する

というように、なにか自分の経験と結び付けられるように連想します。

感情を声に表す。

さあ、やっと歌えます(笑)

具体的に決めた、曲のストーリーや言葉を思い浮かべながら歌ってください。

そこから考えて、大事な単語をチェックし、「ここはこんな気持ちだから、こんな声で歌いたい」「ここは大きく歌いたい」と、声の大きさや音色を決めていきましょう。

「その気持ちが伝わる音色には、どんな声で歌ったらいいか?」「その声はどうやって出すか?」まで考えます。

感情と発声を同時に意識して練習をしていく練習を重ねると、いつでも発声も表現もぶれずに歌えるようになります。

練習のポイントは、以下の通りです。

①録音したものを聴いて、「イメージした感情がちゃんと声に表れているか?」もチェック。

②言葉のアクセント(日本語でも)をチェック。
 その部分を大きく、もしくはその音を長めに歌うと、しっかり言葉が伝わるようになります。

③気持ちの高ぶる箇所では、しっかり響きのある声で歌えるように練習する。
 盛り上がる箇所では、音程を高めに取ると大きく出しやすいです。

④息の配分も忘れずに。
 小さい声や細い声になったり、息が持たないなんてことのないように、息の配分も考えましょう。

⑤リズムも取りつつ、気持ちも入れる。
 POPSやロックなどでは、ビートに合わせて歌うようにすると感情が入りにくくなることもあります   が、リズムも感じつつ、自分のイメージしたストーリーや情景が感じられるようにしましょう。

⑥歌詞を、実際の歌と同じくらいの音程で朗読する。

テクニックと表現、どっちが大事?

発声が安定しないうちは、気持ちだけで歌うと喉に必要以上に力が入ってしまったり、音程が不安定になったりして、思ったように気持ちが入れられないこともあります。

反面、テクニックの足りない部分を表現でカバーできることもあります。

また、以下のような時は、テクニックより表現に目を向けて歌うと、今まで以上に自分の力が発揮できるかもしれません。

①音程や発声ばかりに気を取られて、気持ちのテンションが低い。エネルギーがこもった歌声にならない。

②「本番でいつも必要以上に緊張する」という方は、上手く歌おうとするよりも、自分の気持ちをきちっと語ることに集中したら緊張も減る可能性も。

③本番では、気持ちを込めて歌う方を大切にしましょう。
発声・音程やリズムは、本番前日までにきっちりやっておくことです。
本番でどんなに気をつけても練習以上のものを出すのは厳しいので、気持ちを込めてエネルギーを注いで歌いましょう。
 

ただ、個人個人の目標で、「今は発声を一番大切にしたい」「本番では、気持ちに走りすぎて音程が崩れすぎる」という方は、自分の決めた通りにテクニック重視でもいいと思います。

ボイストレーナーと相談して、どうしたらいいか客観的な意見を言ってもらうのもいいでしょう。

どちらにしても偏りすぎないことが大切です。

その曲の音楽性・歌詞の内容をしっかりイメージしてから、自分の声で語れるようにしましょう!

まとめ

  • 歌詞や訳詞をザックリ読んだだけでは、その曲をなんとなくなぞって歌うだけになり、あなたの言葉として出てきません。
    その曲のストーリーを自分なりに作りましょう。 
  • 曲全体にワーッと感情をぶつけると雑な演奏になって、音程やリズムもずれやすくなります。
    フレーズごとに心の変化をイメージし、「声」に表すことを心がけます。 
  • 音一つ一つに魂を込めて、気持ちを表すために「どんな音色や響きにしたいか」を考える。

  • 外国語の歌でも同じ!「ここでこんな気持ちになる」と具体的にイメージして歌えば、聴いている人がその言語の意味が分からなかったとしても、感動を与えることができる。 
  • こんな細かいことまでムリ!という人は、まずは大まかな背景と登場人物、大切な単語やフレーズのチェックを決めて、そこの声の出し方を考えるだけでも大丈夫です。 
  • 本番では、気持ちを表現することに集中!発声などのテクニックは、練習段階までにやっておきましょう。

 

「こういう気持ちで歌う」ということが明確にしてから歌の練習をしていくと、段々と感情が声や表情にも表れるようになってきます。

歌詞があなたの言葉・気持ちとして出てくると、聴いているみなさんの心を惹きつけ、きっと感動させられる歌になるでしょう!

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ボイストレーナー 浅井 のぞみ

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